「君、営業に向いてるよ」を2回言われて2回ともダメやった|人の“向いてる”は当てにならん話

僕は仕事人生で、2回、自分から望んでないのに営業に回された。2回とも、社長に「君は営業に向いてるよ」と言われて。そして——2回とも、ダメやった。この記事は、「人に“向いてる”と言われた仕事が、自分に向いてるとは限らん」という、ちょっと情けないけど正直な話。今、誰かに勧められた仕事で迷っとる人の、肩の力が抜けたらええなと思う。

1回目|IT会社で、ある日突然「営業に行け」

最初は、システムを作る会社におった頃。僕の仕事はテスター——出来上がったものを使い込んで、不具合(バグ)を探す側の仕事やった。パソコンに向かう仕事で、正直、向いとるとは思えんかったけど、まあやっとった。

そんなある日、急に社長に「営業に行け」と言われた。理由の説明は、特になかった。なんで自分が?と思ったけど、たぶん何か"営業向きの素質"を見られたんやろう——としか、当時は分からんかった。自分では、これっぽっちもそんな気はなかったんやけどね。

ちなみにその会社は、その後給料の支払いが怪しくなって、傾いていった(その話は給料が「ちょっと遅れます」は危ないサインの記事に書いとる)。結局そこは辞めることになった。

2回目|製造の工場で、また「君は営業に向いとる」

次に、知り合いの紹介で製造業(工場)の会社に入った。最初は現場で、ものを作る仕事。これが、体を動かす分、自分には性に合っとった。

ところが、しばらく工場で働いとったら——また社長に「君は営業に向いとるよ」と言われて、営業に回された。

その時、正直に思ったわ。「またか……」と。前の会社でも、今の会社でも、僕は自分から「営業やりたいです」なんて一回も言うとらん。なのに、なぜか2回とも、上の人が「こいつは営業」と決めるんよね。

なんで2回も?|社長が見た“営業向き”は、半分当たっとった

2回も同じことが起きて、後から考えた。最初は「見た目で選ばれたんかな」と思うたけど、たぶんちがう。2人の社長は、ちゃんと僕の中身を見て「向いてる」と言うたんやと思う。

というのも、僕は雰囲気はわりと柔らかいほうやし、人と話すのは好きなほう。受け答えも、まあ普通にできる。——これって、たしかに"営業向き"の素質ではあるんよね。やけん、社長たちが「こいつは営業いけそうやな」と思うたのは、半分は当たっとった

問題は、そこやなかった。営業の本当のしんどさは、もっと奥にあった。そして、その奥だけは——社長にも、当時の自分にも、見えてなかったんよ。

本当のしんどさ|会社の商品に、自信が持てんかった

これが、僕の営業の大前提や。正直に言う。僕は、自分が勤めとった会社の商品に、自信が持てんかった。

自分が「ええ」と思いきれん物を、お客さんに「ええですよ」と薦める——これが、どうしてもできんかった。口がうまいとか下手とか以前に、心が乗らんのよ。信じきれん物は、僕は売れん。

しかも、自信のない物を売ったら、当然クレームになることもある。これがまた、僕にはこたえてな……クレームが起きると、もうメンタルがもたん。当時はほんまに、胃が痛うなるくらいまいっとった。

つまり——人当たりとか話好きとか、"表"の素質はあっても、肝心の「自信を持って売る」が成立せんかった。社長が見た「向いてそう」と、実際に「できる」は、別物やったわけよ。(この「信じられん物は売れん」話は、営業に向いてなかった僕が工場に転職した理由の記事にも書いとる。)

人の「向いてるよ」は、参考程度でええ

ここまでの話で、伝えたいことはひとつ。人が「向いてるよ」と言うてくれるのは、ありがたい。人当たりとか、表に出とる部分は、案外よう見てくれとる。けど——自信を持てるか、しんどい時に踏ん張れるか、いう"奥"は、結局、自分にしか分からん。やけん、人の「向いてる」は、鵜呑みにせんでええ。

もちろん、勧められた仕事を一度やってみるのは、ええことや。やってみんと分からんことは多い。僕も、やってみたけん「ああ、これは違うな」と分かった。向き不向きを最後に決めるのは、人の言葉やなくて、やってみた自分の感覚よ。

そして、やってみて「違う」と思ったら、そこから離れるのも、立派な答え。逃げやない。僕は2回も遠回りしたけど、おかげで「自分は体を動かす方が、ずっと合っとる」と、はっきり分かった。今は港湾で、体を動かして働きよる。遠回りも、無駄やなかったと思うとる。

よくある質問

周りに「向いてるよ」と言われた仕事は、やったほうがいい?
一度やってみる価値はあるけど、鵜呑みにせんでええ。僕は2つの会社で社長に「営業に向いてる」と言われて2回回されたけど、2回ともダメやった。向いてるかどうかを最後に決めるのは、人の言葉やなくて、自分がやってみた感覚よ。
望んでないのに営業に回されることってある?
ある。僕は2回経験した。会社の都合や、人当たり・話しやすさみたいな“表”の印象で「営業向きそう」と思われることがあるけん。ただ、本当の向き不向き(自信を持って売れるか、クレームに耐えられるか、いう奥の部分)は別物やった。
営業を辞めるのは逃げ?
逃げやない。向いてない場所から、合う場所に移るだけ。僕は遠回りした末に、体を動かす現場仕事のほうが性に合うと気づいて、そこで気がラクになった。
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この記事を書いた人 IT・営業・製造・整備・港湾と、いくつもの仕事を渡り歩いてきました。営業には2回回されて2回ともダメでしたが、今は港湾で、体を動かして働きよります。きれいな成功談やなく、自分が体験したことだけを正直に書いとります。詳しくは運営者情報へ。