港湾の自動化はどこまで来とる?|上海は無人搬送車145台、僕の現場は人の手
「港湾って自動化されるんでしょ?」——うん、されよる。世界の先頭は、正直すごいことになっとる。上海には、無人の運搬車が145台走り回って、現場にほぼ人がおらんターミナルがある。ほんで、僕の現場はというと——今日も、クレーンと人の手よ(笑)。この差、面白いやろ? この記事では、世界→日本→僕の岸壁とズームインしながら、港湾の自動化が「今どこまで来とるか」を整理して、最後に現場の人間としての本音を書く。「で、仕事は残るん?」という将来性の話は別の記事にまとめとるけん、この記事は「自動化の中身」に絞るね。
世界はここまで来とる|無人の運搬車が145台走る港
まず世界の先頭から。船に付いたガントリークレーン(岸壁の大型クレーン)でコンテナを降ろして、それを無人の運搬車(AGV=自動で走る搬送車)が受け取って、置き場まで勝手に運んで、置き場のクレーンも自動で積み上げる——そういう「人がほぼおらん港」が、もう現実に動いとる。
- 上海・洋山港(ようざんこう)第4期:世界最大の自動化コンテナターミナル(2017年〜)。岸壁のクレーン28基、置き場のクレーン121基、そして無人搬送車が145台。現場はほぼ無人(出典:AFP「世界最大規模の無人自動化ふ頭」)
- 韓国・釜山(プサン)新港 第7埠頭:韓国初の、全工程が自動化されたターミナル(2024年4月稼働)。クレーン9基、無人搬送車60台(出典:海事プレス)
お隣の国々で、もうここまで動いとる。これが世界の今よ。
日本はどうか|名古屋が実運用、横浜は実証が始まったところ
ほんじゃあ日本はというと、ざっくりこう。
- 名古屋港・飛島(とびしま)ふ頭:日本で唯一、無人搬送車が実際の仕事で毎日動いとる自動化ターミナル(出典:名古屋港管理組合の資料(PDF))
- 横浜港:実証実験(テスト)の段階。ターミナル内をトレーラーが自動で走って、決めた位置でピタッと停まる実験(出典:国土交通省の発表)や、国内最大級のガントリークレーンを遠隔操作する国内初の実験(2025年開始。出典:JFEエンジニアリングの発表)が進みよる
- 国も「ヒトを支援するAIターミナル」という看板で、置き場のクレーン(RTG)の遠隔操作化なんかを後押ししとる
つまり日本は、「全部無人」はまだ一部で、今は遠隔操作と実証実験を積み上げよる段階。世界の先頭とは差があるけど、方向は間違いなくそっちに向かっとるね。
ほんで、僕の現場は|今日も人の手よ(笑)
ここまで読んで「港湾ってハイテクなんやな」と思ったやろ? ほんじゃあ僕の現場を紹介する。クレーンには人が乗る。荷に付くのも人。運搬の車も、人が運転しとる。無人の運搬車? おらんおらん(笑)。
そもそもの話、うちみたいな地方の港は、無人の運搬車を何十台も走らせるほどの荷物量やないのよね。数えたことはないけど(笑)、上海の145台みたいな世界とは、規模の前提がまるで違う。ほんで、うちのメインは石炭や塩みたいなばら積みの荷(バラもの)。形の決まっとらん荷は、状態を見ながら人が判断する場面がどうしても要るけん、コンテナみたいにスパッと自動化できん(このへんは荷ごとの作業の記事を見てもらうと分かる)。
同じ「港湾」でも、世界の最先端と僕の岸壁では、風景が全然違う——これが現場からのリアルな報告よ。
遠隔操作のクレーン、現場の人間はどう思う?
ここからは本音の話。エアコンの効いた部屋から、画面越しにクレーンを動かす——あれを現場の人間がどう思うか。いや、最高でしょ(笑)。
空調の効いた部屋で仕事できて、あの高さまで上がらんでええ。ほんで、もしもの時に体が現場から離れとるけん安全。文句のつけようがない。……まあ正直に言うと、今どきはクレーン自体も運転席に空調が付いとるところが多いけどね(笑)。あと僕はガントリークレーンには乗ったことないけん、そこは差し引いて聞いてな。
ただ——手放しで「楽勝やん」とも思わんのよ。遠隔操作って、体にダイレクトに反応がないやろ。クレーンに乗っとると、巻き上げた時の負荷のかかっとる感じ、機械の音、目の端に入る周りの風景——そういう情報を体で受け取りながら操作しとるんよ。画面越しになると、その情報がごそっと減る。数トンの荷を吊る仕事で入ってくる情報が減るのは、ちょっと怖い気もする。楽になる分、別の神経の使い方になるやろうね。
無人の運搬車は、うちの港に来るんか?
来るか来んかで言えば——お金のことを考えんかったら、できるんちゃう?と思っとる。技術はもう、上海や釜山が証明しとるけんね。結局は将来性の記事にも書いた「そのお金を誰が出すんか」問題と、あとは置き場の広さみたいな敷地の事情よ。広々したコンテナヤード前提の仕組みが、地方の港にそのまま入るかは分からん。
ただ、もし来たら——人員がかなり少なくて済むけん、ええとは思うんよ。これから人手不足はもっと深刻になるけんね。「機械に仕事を取られる」というより、「足りん人手を機械に埋めてもらう」が実態に近くなると、僕は見とる。
それでも最後まで残る「人の仕事」は何か
ほんじゃあ最後に、自動化がどれだけ進んでも残る仕事は何か。現場の人間として考えてみた。
- 船側とのやり取り・段取り。船は一隻一隻、荷も状態も違う。乗組員とやり取りしながらその日の段取りを組む部分は、機械には渡しにくいと思う
- コンテナの検品。と言っても、中身を開けて見るわけやないよ。コンテナには封印(鍵みたいなもの)がしてあるけん、中は見れん。僕らがやるのは、どのコンテナが来て、どこへ行くかの確認と、へこみや破損みたいな異常がないかを見る役目。番号の照合だけなら機械でもできそうやけど、「ん?このコンテナ、なんかおかしいぞ」に気づくのは、今も人の目よ
- バラものの対応。さっき書いたとおり、形の決まらん荷は人の判断が要る
逆に言うと、重機の操作なんかは、基本、無人になってもええと僕は思っとる。危ない場所から人を減らすのは、ええことやけん。ただ正直に添えると——働く側からすると、仕事が減るのはお金が減る話でもあるけん、手放しで歓迎とはいかん本音も現場にはあると思う。技術の話と、飯の種の話は、別なんよね。
自動化は、止まらん。ほんで、人の仕事も、ゼロにはならん。——「じゃあこれから港湾に入るのはアリなん?」の答えは、将来性の記事に書いとるけん、続けてどうぞ。
よくある質問
日本で一番自動化が進んどる港は?
世界で一番自動化が進んどる港は?
自動化されたら港湾の仕事はなくなる?
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